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2013.10.11

福岡 病院火災

<博多・病院火災>甘い防火管理体制 責任者は名ばかり

毎日新聞 10月11日(金)12時30分配信

<博多・病院火災>甘い防火管理体制 責任者は名ばかり

火災があった医院の見取り図

 11日未明、10人が死亡した福岡市博多区の医院火災。博多消防署によると、「安部整形外科」には火災予防や被害拡大防止の中心となるべき「防火管理者」が適切に選任されていなかった。火災時に閉じるはずの防火扉が閉じていなかったり、初期消火が行われていなかったり、次々と不備が明らかになっている。



 総務省消防庁によると、消防法8条は防火管理者の設置義務がある施設を定めており、患者と職員で定員が計30人以上の安部整形外科も対象に含まれていた。管理者は選任されれば、速やかに建物の状況に応じて避難計画や夜間の配置人数を決めて消防計画を作らなければならないという。

 博多消防署は今年6月7日、安部整形外科を査察した。この際、防火管理者が院長の母親で70歳代と高齢者だったことが判明した。同消防署は11日の記者会見で「名前だけになっており変更するよう指導していた」と明らかにしたが、実際には変更届が提出されないまま火災が発生した。

 防火管理者は消防主催の講習(2日間)を受けて資格を得た者が選任される仕組みで、避難訓練や夜間当直の計画を立てて推進する。2011年度末時点で、選任義務がある建物は全国で約107万件に上るが、このうち約2割は未選任だった。消防法には未選任の場合、30万円以下の罰金を科す規定がある。

 消防関係者は「防火管理者の問題が今回の火災につながったかどうかは分からないが、避難経路の障害物を取り除くといった防火体制の整備や避難訓練が適切に行われていなかった可能性がある」と話す。

 一方、今回の火事では防火扉が閉じずに被害が拡大した可能性が指摘されている。消防関係者は「防火扉が下りるスペースに障害物が置いてある場合か、煙や温度を感知するセンサーと防火扉をつなぐ配線に問題があった可能性がある」と指摘している。

 防火管理者が不在だった火災としては、浜松市のマージャン店で従業員ら4人が死亡(09年)▽大阪府和泉市の市営住宅で幼い兄妹3人が死亡(06年)--などがある。いずれも消防当局の立ち入り検査で改善指導を受けていたが火災が起きるまで放置していた。

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